日本政策金融公庫総合研究所の「2020年度新規開業実態調査」によると、開業者に占める女性の割合は増加傾向にあり、2020年度は21.4%と過去最高の割合となりました。
日本の起業率は海外と比べて低水準ですが、経営者の高齢化や事業承継における後継者不足などを起因とし中小企業・小規模事業者の数が年々減少を続けている現状において、産業の新陳代謝につながる創業の意義はとても大きなものとなっており、創業の増加は地域経済の活性化につながることが期待されます。
男性に比べて女性の起業は必ずしも多いとは言えない現状ではありますが、一方で、ライフスタイルの変化への対応や自己実現のために起業を志す女性が増えていることも事実です。
育児・介護休業法等の整備により労働環境の改善が進んでいるとはいえ、出産や育児による女性のキャリア中断は依然として見受けられます。男性に比べ「家事・育児との両立」という課題を抱えるケースが多い中、「起業」は有効な働き方の選択肢のひとつだと言えます。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの女性起業家に関するアンケート調査では、起業時の課題について女性は男性よりも「経営に関する知識・ノウハウが不足」「事業に必要な専門知識・ノウハウ不足」と回答する割合が高くなっています。
これは女性の創業志望者の周囲に経営の相談ができる相手がいないことも一因になっているかと思われます。