押さえておきたい経営指標

財務面の安全性、収益性、そして効率性を確保することは事業の成功に欠かせない要素です。

これらの指標を理解し適切に管理することで、企業は経済の変動に強くなり、成長機会を最大限に活用することが可能となります。

経営者が押さえておきたい重要な経営指標には下記のようなものがあります。

安全性を示す経営指標

■ 自己資本比率
保有する資産のうち、正味の資産がどれぐらいあるかの割合を示す指標です。

目安として30%以上あれば安定企業といえます。

ただ、自己資本比率が高くてもキャッシュ(現預金)をたくさん保有しているとは限りません。

キャッシュの量にも注意したいところです。

自己資本比率=自己資本÷総資産×100

■ 手元流動性比率
月商の何か月分のキャッシュを保有しているかを示す指標です。

少なくも1以上はほしいところです。

個人的には月商の代りに1か月分の固定費を用い、2以上あればよいかなと思います。

手元流動性比率=現預金(+短期保有の有価証券)÷月商

■ 流動比率
短期的な債務の支払能力を示す指標です。

流動資産が流動負債をどれだけカバーしているかを示し、200%以上あるのが理想とされています。

流動比率=流動資産÷流動負債×100

収益性を示す経営指標

■ 売上高総利益率
商品やサービスそのものの収益性を示す指標です。この数値が高いほど商品力があるといえます。

売上高総利益率=売上総利益÷売上高×100

■ 売上高営業利益率
本業における収益性を示します。この指標が高いほど、効率的な経営が行われていると判断できます。

売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100

■ 売上高経常利益率
営業活動に財務活動を加えた総合的な収益性を示します。

営業利益に加え、受取利息や配当金などの営業外収益も考慮に入れているため、より広範な収益性の指標となります。

売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100

効率性を示す経営指標

■ 売上債権回転率
売掛金の回収がどれだけ効率的に行われているかを示す指標です。

この指標が高いほど、売掛金の回収が迅速であることを意味します。

売上債権回転率=売上高÷売上債権

■ 棚卸資産回転率
在庫管理の効率性を示す指標です。

棚卸資産回転率が高いほど、在庫が効率よく売れ、資金が速やかに回収されていることを意味します。

逆に、この指標が低い場合、在庫の過剰や販売の遅延が考えられ、資金繰りの悪化を招く可能性があります。

棚卸資産回転率=売上高÷棚卸資産

■ 仕入れ債務回転率
仕入に対する支払いをどれだけ効率的に行っているかを示す指標です。

仕入債務回転率が高い場合、支払いサイクルが短く、仕入先への支払いが迅速に行われていることを示します。

一方で、この指標が低い場合、支払いの遅延があるか、キャッシュフローに余裕があることを意味します。

仕入債務=売上高÷仕入債務

 

これらの指標を活用することで、経営の課題を特定し効果的な改善策を講じることが可能となります。

定期的・継続的に経営指標を把握し変化に迅速に対応することで、事業の持続的な成長と競争力を確保しましょう。