実際の利益より多く利益が出たように見せる決算を粉飾決算と言います。
もちろんやってはいけない行為ですが、借入を申し込む(融資を受ける)際に金融機関に見せる決算書を作成するときなどに行われます。
ちなみに、実際の利益より少なく利益が出たように見せる決算は逆粉飾決算と言い、支払う税金を少なくするために税務署に見せる決算書を作成するときに行われます。
粉飾決算の主な手口は、
- 売上を多く見せる
- 費用を少なく見せる
の2つです。
売上を多く見せる粉飾決算
売掛金00 / 売上高00
実際は売れていないのに売上があったように処理する。
架空の売上なので、この売掛金は回収されることはありません。
売掛金00 / 売上高00
実際は翌期の売上なのに今期の売上として処理する。
売上の先食いなので、翌期はこの分の売上が減ることになります。
費用を少なく見せる粉飾決算
繰越商品00 / 仕入00
実際より在庫を多く計上する。
架空の在庫なので、この在庫はずっと残ったままとなります。
現金や仮払金など00 / 費用00
費用を資産に振り替える。
この資産は実態が伴わない不良資産となります。
粉飾決算のリスク
本来、決算書は経営の実態を示すものであり、戦略を立てる際の材料となるものです。
ただ、一度粉飾決算に手を染めると、嘘を嘘でごまかすために翌期、翌々期と粉飾決算を続けてしまいがちです。
こうなると決算書は何の価値も持ちません。
融資を受けている金融機関に粉飾決算がばれた場合、新規の融資を受けられなくなるばかりか、刑事罰の対象ともなります。
決して粉飾決算には手を出してはいけません。